アニメーション大国といわれる日本。現在は、この半ば無自覚に発生、継承されてきたアニメーションという文化を、自覚的に将来にわたって発展させていくべき時期を迎えています。それには、作家・監督のみならず、コンテンツ企画や事業スキームを設計するプロデューサーの役割がたいへん重要です。 メディアミックスや国際共同制作などグローバルな展開を見せるアニメーション界にあって、コンテンツ制作ひいては、日本のアニメーション界に対してどういうビジョンを描き、どういう事業を展開し、どういう人材を育成していくか、まさに今に生きるプロデューサーたちが取り組まなければいけない問題だと考えます。 東京藝術大学大学院映像研究科では、このような趣旨にのっとり、第一線で活躍するプロデューサーやディレクターたちをお招きし、公開講座を行います。2009年に引き続き、今年で2年目になるこの講座が、現役プロデューサーおよびプロデューサー志望者、そしてコンテンツリーダーたちに明日へのビジョンを与えるものになれればと思っています。
「現代映像プロデュース論」 企画・モデレーター
岡本美津子