2017.10.30

コンテンポラリーアニメーション入門第26回講座:ライムント・クルメ『だまし絵、主と従の反転』

2017.10.30

コンテンポラリーアニメーション入門第26回講座:ライムント・クルメ『だまし絵、主と従の反転』

線と空間を自由にアニメートする作品で定評があり、テレビCMや国際的な映画祭でも活躍しているライムント・クルメ監督を講師に迎え、「だまし絵、主と従の反転」をテーマに作品上映と解説を行いました(2017年10月22日(日)於:本学馬車道校舎)

1986年から2004年までに制作した短編アニメーション5作品と仕事で制作したCMの上映を行い、クルメ氏の作品の特徴であるシンプルな線が運動によって空間を設計する創造の秘密に迫るとともに、作品の奥底に潜むテーマを伝える為にだまし絵の要素を用いる制作手法について解説を行いました。観客からも多くの質問が寄せられ、作家のアイデアや思考に触れる貴重な講座になりました。

また学内ワークショップは場面設計・画面構成をテーマに行われ、シュールレアリスムの流れを汲むイオネスコ作「椅子」の二つの場面を中心に、舞台に存在しない物をいかに配置するかという課題が与えられました。

学生はそれぞれの空間作りの講評を受けることで、氏の独特の視覚的センスを間近に知ることができました。

 


ライムント・クルメ/Raimund Krumme


ドイツのケルン生まれ。ベルリン芸術学校卒業。1980年よりアニメーション映画を制作。94年よりアメリカと日本のCMを制作。97年から2001年までカリフォルニア芸術大学、02年から04年までハレ・テレビアカデミー、06年よりケルン・メディア芸術大学にて常勤教員を務める。04年、テルアビブとモントリオールでレトロスペクティブが開催された。