第16回講座 7月11日(金)

上映作品:『ストリート・オブ・クロコダイル』(1986)、『失われた解剖模型のリハーサル』(1988)、『櫛-夢博物館から』(1990)、『イン・アブセンティア』(2000) 全作品35ミリフィルム上映!

クエイ兄弟の創作は、台詞より音楽、文学より詩に近い。この講演では、音楽、演劇、バレエ、オペラのために委託制作された映像とともに、1979年からの40本ほどの映画に共通する主題と詩学の要素を探る。クエイ兄弟が「失敗の迷宮」と呼ぶものに ある、独特で複雑な美的内容を明らかにしたいと考えている。最近の映画以外の映像を加味することで、最もよく知られている短編『ストリート・オブ・クロコダイル』の永続的な焦点を超えたい。

 

講師紹介 スザンヌ・バカン Suzanne Buchan
現在イギリスの、ミドルセックス大学美術学部アニメーション美学教授。その前にはUCA芸術大学アニメーション・リサーチ・センターのディレクターで、アニメーション美学教授、チューリッヒ芸術大学でも教えていた。「アニメーションジャーナル」の設立編集者。Peer Reviewカレッジ:芸術人文化学カウンシルの会員で、国際映画祭や美術館、放送等のキュレーター、コンサルタントとしても活動している。

 

クエイ兄弟 Brothers Quay profile
1947年アメリカ・ペンシルベニア州・ノリスタウン生まれのスティーブン・クエイとティモシー・クエイの一卵性双生児の兄弟。69年から72年にかけてロンドンの王立美術大学に学ぶ。80年にプロデューサーのキース・グリフィスとともにアトリエを設立。ポーランドのポスターアートや東欧の文化に影響を受け、オブジェクト・アニメーションの分野で、独特で完成度の高い映像作品を生みだし、カルト的な人気と影響力を持つ。1995年初の長編実写作品『ベンヤメンタ学院』、2006年にはテリー・ギリアムがプロデュースした長編実写作品『ピアノ・チューナー・オブ・アースクェイク』を制作。またその存在がピーター・グリーナウェイの『ZOO』へのインスピレーションやデヴィッド・クローネンバーグの『戦慄の絆』に影響を与えた。


注)予告なく演題、上映作品、講師を変更する場合がございます。ご了承ください。