東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻 第十四期生修了制作展

The Hole

My mother and I moved to a new apartment so we went to say hello to the neighbor. An old woman invited us in where I found two friends along with a big hole in the center of the room.

制作秘話

この作品を作りたいと思ったきっかけ

私は2018年ごろから、夢を記録するようになりました。夢は現実でもないが、完全な妄想や想像とも言い切れない曖昧な存在です。また各人がその世界を完全に共有することは現時点では不可能です。そこに魅力を感じ、次第にアニメーションにすることに興味を持ちはじめました。実際これまでに1年次制作を含め、夢のアニメーションを2つ制作しました。しかしそれらはあくまで、夢で見た話を題材にしただけで、肝心の「夢の再現」に関してはあまり追求していませんでした。なので今回は、自分の夢を映像化するところに焦点を当て、2021年の初夢を再現しようと企画にしたのがきっかけです。

苦労したこと

私は企画やアイデア、物語を考えるのが好きで、形にしていく作業はあまり得意ではないので、どんな素材を使い、人形の表情をどうするか、セットをどこまで作り込むか決めていくのに苦労しました。あとはスケジュール管理だったり、フレームを感じさせない画面作り、カメラワーク、実写映像とのバランスの取り方などに頭を悩ませました。

今までと違ったところと挑戦

前述したように、私は企画段階が得意な人間なので、これまでアニメーションは自分の考えを表現するための単なる手段として用いてきただけでした。しかし今回は「夢の再現」に焦点を当てたことによって、今まで感覚的にやってきた素材や照明、画角決めなどのイメージ通りに見せるための画作りを、どうしてそうするのかより論理的に考えながら制作するようにしました。

次の目標は?

今もう1つ作品にしたい夢の題材があるので、それに取り組みたいです。今作のように、手段としてでなくアニメーションそのものに注目して、より論理的に考え制作できるように、生活の傍らで探究していきます。