平成30年度ASEAN文化交流・協力事業(アニメーション・映画分野) | » Home

背景とねらい

タイはASEAN諸国の中でも特に日本のアニメが親しまれている国の一つである。日本のアニメ制作会社の海外契約件数(放映・上映・ビデオグラム・配信・商品化等)で見ると、平成30年の調査でタイは12位で、ASEAN諸国の中ではトップである(アジアでは韓国、台湾、中国、香港に次ぐ5位)。※1また歴史的にも、日本とタイのアニメーション分野における関係は深く、タイ国内最大かつ最古の映像制作スタジオとして知られるKantana GroupのKantata Animation Studiosは、もともと日本の東映アニメーションの下請けとして始まった会社である。タイのアニメーション産業は現在もまだ発展途上段階ではあるが、昨今はKantana以外にも多数のアニメーション制作スタジオが生まれており、平成30年には長編3DCGアニメーション映画『The Legend of MuayThai: 9 Satra』※2が公開されるなど、若い世代を中心とした新しい波が生まれつつある。そうした若い世代のクリエイターや学生達は、海外のアニメーション作品から多くを学んでおり、とりわけ日本のアニメーション作品からの影響は大きい。しかし彼らが日本のアニメーターから直接的な指導を受けられる機会はこれまでほとんどなかった。

こうした背景を踏まえ、本事業では、日本で活躍するプロの現役アニメーター3人をタイに派遣し、現地の若者達にアニメーション表現の基礎を教える、実践的な内容の作画ワークショップを行った。カリキュラムや指導方法は、平成24年度から文化庁のメディア芸術分野の事業の一つとして実施されてきた『アニメーションブートキャンプ』というワークショップをベースにしている。※3

アニメーションブートキャンプは、2D・3Dを問わず「自己発展・自己開発できる人材の育成」を目的に掲げ、自分達の身体を使って「観察すること」や「感じること」、さらに「他者に伝わる表現」を追求することを重視した、基礎的かつ本質的なアニメーション教育プログラムである。講師は日本のトップクラスのアニメーター達であり、普段なかなか表舞台に出ることのない彼らから、直接的な指導を受けることができる。同ワークショップをタイで実施することで、現地の若者達を触発するとともに、日本のアニメーションについて深いレベルで理解してもらうことを目指した。

本事業で最初にタイでのワークショップを開催したのは平成27年であるが、参加した学生達や現地の大学の先生達から、その内容について毎年高い評価を得てきた。さらに参加学生達がその後に制作した作品のいくつかがタイ国内外の映画祭で受賞するなど、具体的な成果も出ている。また平成28年からは東京藝術大学の学生もワークショップに参加しており、タイの学生と日本の学生との交流も一つの重要な要素となっている。そして今回、新たにインドネシアの学生にも参加してもらうことになり、タイ・インドネシア・日本の3カ国の共同ワークショップとなった。※4

 

※1:一般社団法人日本動画協会編・著『アニメ産業レポート2018』(一般社団法人日本動画協会,2018)

※2:制作はIglooStudio。同スタジオには2017年度に本事業の一環でスタジオ訪問している。

※3:アニメーションブートキャンプに関しては、以下のWEBサイトに詳しい。

http://animationbootcamp.info/

※4:東京藝術大学の学生のうち2人は中国からの留学生、1人は韓国からの留学生なので、厳密には5カ国の学生が参加している。

実施体制

日本側の運営スタッフは、共同ディレクターの竹内と布山をはじめ、日本でのアニメーションブートキャンプを平成24年から6年間にわたり実践してきたチームをコアスタッフとしており、講師陣も過去の国内のブートキャンプでの講師経験があるアニメーター達である。さらにタイにおける円滑な運営を行うために、タイ側の受け皿であるシラパコーン大学との交流が深い東京藝術大学が大学側との調整を担当し、プロジェクトの全体統括をユニジャパンが行った。また通訳は平成28年から継続して本事業に関わっているプロの通訳者である。

 

日本側スタッフ
講師 板津匡覧[アニメーター・監督]
大久保徹[キャラクターデザイン・作画監督/株式会社プロダクション・アイジー]
瀬谷新二[作画監督/株式会社手塚プロダクション製作局作画部長]
ディレクター 竹内孝次[アニメーションプロデューサー]
布山タルト[東京藝術大学大学院映像研究科教授]
プロジェクトプロデューサー 岡本美津子[東京藝術大学大学院映像研究科教授]
プロジェクトマネージャー 江口麻子[東京藝術大学大学院映像研究科助教]
通訳 RinyaphatPhattaratheeda
記録撮影 矢野ほなみ[東京藝術大学大学院映像研究科助手]
企画・運営 東京藝術大学大学院映像研究科
全体統括 公益財団法人ユニジャパン
事業主任 前田健成[国際事業部情報発信グループ統括プロデューサー]
事業担当 中﨑淸美[国際支援グループ]
小松万智子[国際支援グループ]

本事業のタイ側パートナーは、タイ最高峰の美術大学である国立のSilpakorn Universityである。同大学のDecorative Arts学部Visual Communication Design学科のChanisa Changadvech学科長を中心とした教員チームが運営を担っており、また運営をサポートするスタッフ達の多くは平成27年度から29年度までの3年間にブートキャンプに参加した学生である。今回はティーチング・アシスタントとして7人、運営スタッフとして8人の計15人が参加した。彼らの中にはすでに大学を卒業してIglooStudioやRi¥AnimationStudioなどのタイのアニメーションスタジオに就職し、アニメーターやコンセプトアートデザイナーとして活躍している者もいる。彼らはブートキャンプから巣立った後、運営スタッフとして毎年ブートキャンプに戻ってきているのである。こうした年代をまたぐ繋がりが生まれ、先輩から後輩へとブートキャンプの経験が受け継がれているのは、平成27年から継続的に本事業を行ってきたがゆえに実現していることだといえる。

 

タイ側スタッフ(Silpakorn University)
プロジェクトプロデューサー Chanisa Changadvech[Chair of Visual Communication Design Department, Faculty of Decorative Arts]
スタッフ Atiwat Wirionpetch[Assistant Professor, Visual Communication Design Department, Faculty of Decorative Arts]
Kanitta Meechubot[Visual Communication Design Department, Faculty of Decorative Arts]
Veerawat Sirivesmas[Assistant Professor, Jewelry Design Department, Faculty of Decorative Arts]
Thatree Muangkaew[Ceramic Design Department, Faculty of Decorative Arts]
Piyawat Pattanapuchkdee[ Fashion Design Department, Faculty of Decorative Arts]
コーディネーター Sutasinee Vajanavinij[Visual Communication Design Department, Faculty of Decorative Arts]
Anoma Rattananoi[Visual Communication Design Department, Faculty of Decorative Arts]
ティーチング・アシスタント(TA) Tunyakarn Anucharchart[Motion Graphics Designer] 2015、2016、2017アシスタントスタッフ
Nichakarn Rojanadamkerngchoke[Artist, Ri¥ Studio] 2016参加者、2017アシスタントスタッフ
Wannaporn Phutphong[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
Sirikorn Iampattanatham[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
Apinya Losuwannarak[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
Wasita Charoonpasurakul[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
Natnicha Panyaisomboon[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
運営スタッフ Nantanat Srisangnum[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
Karnsiri ketakomol[Silpakorn University 4th Year Student] 2017参加者
Ploypapat Phusadeekunpaisan[Junior Art Director, Ogilvy] 2016参加者、2017TA
Atikan Intharasukphon[Concept Artist, Ri¥ Studio] 2016参加者、2017TA
Kanyarat Janpitakpong[ Graphic Designer, Youngsant] 2016参加者
Kamonrose Mahattanasomboon[Artist, Igloo Studio] 2016参加者
Tanyathon Srimahasarn[Artist, Igloo Studio] 2016参加者
Wannarit Karin[Artist]

講師プロフィール

  • 板津匡覧 (アニメーター・監督)

  • 大久保徹 (キャラクターデザイン・作画監督/株式会社プロダクション・アイジー)

  • 瀬谷新二 (作画監督/株式会社手塚プロダクション 製作局 作画部長)

事業概要

《事業名》

アニメーションブートキャンプ 2018 ASEAN

《日程》

平成30年12月20日(木)~23日(日)※1

《開催地》

Silpakorn University, Sanam Chandra Palace Campus

(バンコクから西に50キロほど離れたナコーン・パトムに所在)

《受講学生数》

31人(タイ参加学生21人+インドネシア参加学生4人+東京藝術大学学生6人)

《受講学生の所属》

Silpakorn University(シラパコーン大学)

・Visual Communication Design Department, Faculty of Decorative Arts(17人)

・Interior Design Department, Faculty of Decorative Arts(2人)

・Applied Arts Department, Faculty of Decorative Arts(2人)

Indonesian Institute of the Arts, Yogyakarta(ISIジョグジャカルタ校)

・Visual Communication Design(4人)

東京藝術大学

・大学院映像研究科アニメーション専攻(6人)

《《使用言語》》

日本語・タイ語・英語(逐次通訳)

プログラム内容の詳細

《事前オリエンテーション》

ワークショップ前日に、すでに参加学生が全員集まる顔合わせの場があったため、急遽、ブートキャンプの理念を理解してもらうためのオリエンテーションとして、簡単なワークショップを行うことにした。

まず竹内ディレクターが音頭をとって、全員で軽く身体をストレッチした後で、会場内を歩くエクササイズを行った。その際、メトロノームのテンポに合わせて歩かなくてはならない。テンポを120から180へと次第に速めていくと、最終的には皆が小走りになっている。全員が息を切らせて「歩き」の体験を終えた。その後、竹内ディレクターから次のような説明がなされた。「歩き」にはいろいろな速さがあるが、1秒に2歩程度が生物的な人間の基本テンポである。1秒に3歩だと小走り、4歩だと「走り」になってしまう。世界最速のウサイン・ボルトでも1秒に6歩は走れない。私達がブートキャンプで学ぶのは、こうした人間の身体という共通項についてである。それは頭の中にあるのではなく、皆の身体の中にある。共通部分を踏まえた表現は他の人にも伝わる。そして表現というのは、他の人に伝わって初めて「表現」と呼べる。それを学ぶのがブートキャンプである。

説明の後は、作画の補助ツールとなる「カットアウト人形」を一人一体ずつ制作した。これはさまざまなポーズをとらせることができる紙製の人形で、キャラクターの絵を描くのが苦手な参加者のために考案されたブートキャンプ独自の教材である。

一連の作業の最後に、講師、ティーチング・アシスタント、インドネシアの先生達が紹介され、オリエンテーションは終了した。

《1日目の内容》

1.ジャンプの課題

今回のブートキャンプでは、段階的に構成された計三つの課題に取り組んでもらった。参加者の中には初めてアニメーションを描く学生もおり、いきなりメイン課題の自由な表現に取り組ませるのはハードルが高い。そこでまずは「観察に基づきキーとなるポーズを見つけ出してから作画する」という基本的な流れを十分に理解してもらうために、「ジャンプ」と「歩き」という二段階の基礎トレーニングに取り組んでもらった※1。最初はまず「ジャンプ」の課題である。

〈ジャンプを描く〉

・次の2種類のいずれかのジャンプを選んで描く。

A.男の子が木の枝に引っかかった風船を取る(その場でジャンプ)

B.男の子が水たまりを飛び越える(前方へジャンプ)

・まずは自分でジャンプして動きを確認したり、グループ内でお互いの動きを観察したり、身体を使って動きを観察すること。

・観察した動きをもとに「サムネイル」という所定の方法で、ジャンプの動きに含まれるポーズをできるだけたくさん描くこと。

まず、各グループ内で二つのシナリオのどちらを選択するかを、話し合って決めた。その結果、すべてのグループがAのジャンプを選んだ。次にそれが具体的にどんなジャンプなのか、またその動きの中にどのようなポーズがあるかを、自分達の身体を使って観察してもらった。ポーズを描く際には、「サムネイル」という所定の方法にのっとってたくさんのポーズを描かせた。サムネイルというのは、小さなサイズでポーズの絵をできるだけ多く描いてもらう方法として、今回のブートキャンプで新たに考案されたものである。具体的な手順としては、まず紙の上部に動きの始まりのポーズと終わりのポーズを描く。次にその間のポーズを描く。さらにその間のポーズを紙の下部にできるだけたくさん描く……というように、動き全体の中で重要なポーズから順に模索していく手順を、初心者でもわかるように段階的に行わせることができる。

1時間ほどの作業の後、描き終えたサムネイルを壁に貼り、それらのポーズの中から適切なポーズだと思うものに付箋を貼ってもらった。付箋の貼られたポーズを皆で見た後で、瀬谷講師による講評と講義が行われた。講義では具体例を示しながら、適切なポーズを描くためには観察が重要であり、観察を通じて新しい発見があることが説明された。

サムネイルの次は、動画用紙を使い、あらためてジャンプを描いた。描いた後で、布山ディレクターが開発した『KOMAKOMA』というアニメーション撮影ソフトで撮影し、最終的には全員分のジャンプのアニメーションを画面上に並べてグループごとに上映を行った。

 

2.歩きの課題

ジャンプの次は歩きの課題である。基本的な流れはジャンプの課題と同じで、まずは身体を動かして歩きを観察してから、サムネイルを描いてキーとなるポーズを見つけ出してもらった。本番の動画用紙での作画に入る前に、瀬谷講師から「歩き」に関する講義が行われ、どのような点に注意すべきかについて、実例を示しながら説明された。講義の後、それぞれが2歩分の歩きを動画用紙に描き、ジャンプの課題と同様に『KOMAKOMA』で撮影して全員分の上映を行い、さらにグループごとに分かれて各講師からの講評が行われた。

以上の「ジャンプ」と「歩き」という二つの課題を通じて、「観察を通じてキーとなるポーズを発見し、それに基づいた作画を行う」という考え方を全員に理解してもらった。次はいよいよメイン課題である。

 

3.箱の課題

メイン課題は「箱の課題」である。「スイカのようなものが入った箱を主人公が持ち去るが、途中で転んでその中身が飛び出してしまう。その中身が予想外のものだったので箱の中に戻して立ち去る」という基本設定をもとに、グループごとにストーリーを考え、5人が1カットずつ分担して5カットで表現するというものである。基本的には過去3年間ずっと継続して行ってきた課題であるが、今年は例年よりもやや自由度の幅を広げ、箱の中身を「スイカ」ではなく「スイカのようなもの」とした。ジャンプの課題と歩きの課題は個人制作だったが、箱の課題はチーム内でのコミュニケーションが欠かせない。まずはグループごとにストーリーを相談して決めてもらった。その内容を講師に確認してもらった上で、ゴーサインが出たら絵コンテを描いてもらった。さらに絵コンテの絵を布山ディレクターが開発した『KOMACHECKER』というアニメーション撮影ソフトで撮影して、まずは全体の流れがわかるような絵コンテのムービーを完成させることを目指してもらった。しかし1日目は例年よりも課題が一つ多かったこともあって時間切れとなり、絵コンテの撮影は2日目に持ち越されることになった。

《2日目の内容》

2日目の午前中は、1日目の続きで絵コンテの作成に取り組んでもらった。全チームの絵コンテムービーができた11時頃に全体の上映を行った。その後はそれぞれが自分の担当するカットについて、まずはキーとなるポーズをすべて描くことを目指してもらった。

作画中は会場内に本物のスイカと箱が置かれ、学生達は何度もそれらを手にとって身体を使って演技を考えながら、作画を進めた。3人の講師は、学生から質問を受けると実際に描いて指導したり、『KOMACHECKER』で撮影されたテスト映像に対して、さまざまな助言を与えたりしていた。講師から参加者への助言は、すべて通訳を介してタイ語または英語で伝えられた。

15時頃に途中段階の映像を上映した。その後、キーとなるポーズ間を描く、いわゆる「中割り」の作業について瀬谷講師から説明が行われ、その後はできるだけ多くの絵を描くことを目標に進めてもらった。18時に2回目の映像上映を行い、2日目の作業を終えた。

 

 

《3日目の内容》

最終日の午前中は、まず一人ひとりの目標を紙に書いて明確化してもらった。その上で午前中は課題の仕上げ作業にあてられた。そして13時に、無事にすべてのチームが完成することができた。

昼食後、板津講師がアニメーターとして関わったプロダクション・アイジーの作品『みつあみの神様』の上映が行われた。上映に先立ち、板津講師が作品について──それが今日マチ子の漫画原作であることや東日本大震災をきっかけとした作品であること──簡単に説明した。またあわせて『みつあみの神様』の絵コンテとキャラクター表を会場内に置き、鑑賞後に自由に手に取って閲覧できるようにした。

『みつあみの神様』の上映後、課題の完成作品を上映し、講評が行われた。上映に際し、竹内ディレクターから、自分が制作したカットに自分の声で効果音をあてるようにと指示が出された。学生達は最初、恥ずかしがっていたが、実際に上映が始まると皆が見事にそれをやってのけ、上映後は全員から喝采の拍手が沸き起こった。学生一人ひとりが、自分達の表現が観客に伝わることの喜びを実感している様子であった。上映後は、講師達からチームごとに作品講評が行われ、よかった点、まだ十分ではない点について総括がなされた。

講評後は質疑応答の時間が設けられた。「日本のアニメーション制作ではどのようなソフト

ウエアが使われているのか」「日本のアニメーションはどのような工程で制作されているのか」「カットごとに異なるアニメーターが描いているのに皆が同じキャラクターを描けるのはどうしてか」「マンガの原作があるアニメとないアニメはつくり方に違いはあるのか」など、主に日本のアニメーションのつくられ方に関するさまざまな質問が出され、講師達も一つひとつ熱心に回答していた。また「日本のアニメスタジオでは海外からのインターンの受け入れはしているか」というような、将来、日本で働いてみたいという希望を持っている学生からの質問もあった。

質疑応答の後には、参加学生全員に修了証が授与され、すべてのプログラムが終了した。閉会式の後も、参加学生達が連絡先を交換しあったり、講師達のサインを求めたりと和やかな雰囲気が続いた。

アンケート結果

今回のワークショップは面白かったですか?

大変面白かった 13人

ある程度は面白かった 7人

今回のワークショップの内容は十分に理解できましたか?

十分に理解できた 17人

ある程度は理解できた 3人

今回のワークショップのカリキュラムは適切だったと思いますか?

非常に適切だった 12人

ある程度は適切だった 8人

今回のワークショップの指導は適切だったと思いますか?

非常に適切だった 15人

ある程度は適切だった 5人

今回のワークショップで学んだことは今後の作品づくりに役立つと思いますか?

非常に役立つ 16人

ある程度は役立つ 2人

わからない 2人

今回のワークショップで学んだことを具体的に挙げてください

・正しい「人間の動き」

・動きを滑らかに描く方法と表情の描き方

・動きの中のディテールについて

・フレームごとに正しく描いて動きをより自然に描く方法

・スキルの上達

・プロジェクトに対してチームで取り組むということ。大切なことなのに、学校や他のワークショップでは、この点についてこれほどには注目していない

・時間管理、アニメーションのタイミングの取り方、アニメーションを滑らかにする方法

・もっと滑らかにアニメートする方法。講師から、細部のアドバイスをもらえた

・ダイナミックな動きや、自然なポーズ、顔の表情について

・キャラクターの感情や動きによってストーリーをちゃんと伝えるには、資料に頼るだけでは足りない。自分の身体を使って動いて、感情やジェスチャーを感じないと、よいアニメーションはつくれない。シンプルな絵でも、アクションが十分であれば、観客にとって面白いものになる。それと、絵の一貫性も大切だ

・チームワークは大切!私達はいつだって上達することができる。自分が描いているキャラクターに「なる」ために身体を使うこと

・ポーズはとっても大事で、アニメーションの滑らかさよりも主であるべきだと思う。アニメーションは常に精密な科学なのではなく、ときには「感じる」ことが必要であり、アクションを生きて、それを紙に取り込むもの。また、日頃の自分が観察を怠っているがゆえに自分の観察力が不足していることもわかった。そのせいで、キーフレームが誤っていたり、不自然なことが多々あったりした

・今年私はティーチング・アシスタントだったので、マネージメントのことや、生徒への提案の仕方、英語でのコミュニケーションなどを学習した

自由記述による感想

・このワークショップはとっても楽しめました。日本のアニメーションにはずっと興味があったし、私はアニメ産業が未発達のインドネシアから来たから。このワークショップに参加できてとても感謝しています。アニメーションのことをもっと学びたいインドネシア人はたくさんいるのに、企業や政府はインドネシアのアニメーション産業に機会を与えてくれません。なので、いつか東京藝大がインドネシアでもワークショップをしてくれることを願います。ありがとうございました!

・もっとやってください、お願いします!

・作品を完成させるには時間は足りないと思うが、自分の2Dアニメーションや画力を向上させるための学びという意味では3日間の時間で足りていると思う。

・機材の面では、こんなに準備の整ったワークショップに参加したことがありません。主催者がほとんどの備品を用意してくれました。紙を使っての作業はとても自然な感じがしました。ペンを使って紙に書くのと同じようです。時間に追われていないときは、とても癒されました。それに対しデジタルでは、この有機的な感じはときに失われ、またそれが作品にも表れることがあるように思います。また、受け手に見て聞く能力があれば、「動き」というものが非常に美しく、雄弁なものなのだということも学びました。(感情に訴えかけてくるかのように)。

・国際的(ASEAN)ワークショップをやったらいいな!