瞳耕説
今井 理子
人間は世界へのまなざしを耕しつづける。その果てに認識しえない闇へと足を踏み入れることができるのだろうか?
制作秘話
この作品を作りたいと思ったきっかけ
高校生の頃、「知覚できない存在を、私たちはどのように認識すれば良いのか」という疑問を抱きました。それ以来、「目に見えない存在を認識すること」をテーマにした作品を作り続けてきました。今回この作品を作りたいと思ったのは、この疑問に理屈ではなく自分の直感を軸にして挑みたいと考えたことがきっかけです。
苦労したこと
自分の中の「目に見えない存在」に対するイメージを掴むのに苦労しました。「目に見えない存在」は文字通り人間には知覚することができないものなので、具体的なイメージを固めることが非常に難しかったです。また、自分の直感を軸にイメージを広げていく作業は集中力が必要だったため、ひたすら目を閉じて瞑想するような時間を過ごしました。
今までと違ったところと挑戦
これまでの自分のアニメーション制作は作品の内容や構造を全て文字で固めてからイメージを膨らまして作っていく方法でした。しかし、今回はふと思いついたイメージをもとにさらにイメージを膨らましていき、最終的に一つの物語になるよう修正していく方法で制作しました。文字ではなくイメージで作品の内容を膨らます作業は、出口の見えない作業に感じられ不安でした。しかし作業を進めるうちに、浮かんだイメージとイメージを繋ぎ合わせ、新しいイメージを作り出す感覚をだんだんと掴むことができました。
次の目標は?
学部の頃から展示全体を作品とするようなインスタレーションに興味があったので、大学院で学んだアニメーションをもとにしたインスタレーション作品を制作したいと思います。また、場所がある展示だけでなくWEB上での展示にも興味があるので、これからコツコツとプログラミングも勉強していきたいなと考えています。あと本も目一杯読みたいです。