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監督=山北麻由子/音楽=ユンヨハン/サウンドデザイン=滝野ますみ
| ある街に兄弟が住んでいた。兄は一人暮らし、弟は実家暮らしである。ふたりは特記して仲が悪い訳ではなく、良い訳でもない。しかしたまに電話しては一言二言会話するなどしていた。兄はせっかちで情緒的な性格であり、仕事ばかりしている。弟はそんな兄に反しマイペースで揺るぎない。ある日、兄の頭が急にトマトになってしまう。
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監督=モリシタトヨミ/音楽・音響=對馬樹
| 2重螺旋の赤いリボンは少女達を繋ぐ絆「xx」。伝えられる柔らかい手の感触。少女だけが受け継ぐやさしい記憶。そんな夢見る時間は突然終わり、意志の如何に関わらず変えられていく体。与え、そして奪う「xx」。逃れられない運命の糸。少女時代の終わり、大人社会への嫌悪と抵抗、無垢さへの逃避に警告する少女アニメーション。
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監督=ALIMO/音楽=羽深由理/音響効果=関根鈴花
| 作品はシュルレアリストの遊び「甘美な死骸」を方法論の核としている。 絵は描かれる。そして繰り返される。何日か経てば自ら描いた絵も忘れてしまう。そして日々の「忘れたイメージを繋ぐ」という行為は、最後まったく別の文脈に置き換えられる。偶然性から符合と接近を経て、あらゆる「あいだ」を生じさせ、いつしかそれらはリズムをもって光の射す窓へと開かれた遊びとなる。
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監督=薩摩浩子/音楽=葛城梢/音響=高橋郁美
| 夜、子供の寝室に砂でできた人が現れた。そして、棚にしまわれていた縫いぐるみを誘いだし、丘の向こうに行ってしまう。子供は縫いぐるみを取り戻そうとその後を追いかけ、夜の闇に消えてゆく。
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監督=宋永盛/音楽=礒崎祥吾、佐藤亜矢子
| Qが3匹以上集まるとQQQになる。QQQは移動する。QQQは回転する。そして、QQQは変身もする。QQQは回転しながら移動する。QQQは回転しながら変身する。そして、QQQは回転しながら移動しながらも変身する。
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監督=唐澤和也/音楽=比良彩那/サウンドデザイン=鈴木勝貴
| 落語「浮世床」の一遍を原作にしてアニメーション化した。主人公の半公が仲間達にのろけ話をして盛り上がる話である。昔も今も、人の本質は変わらない。気の合った仲間同士の馬鹿げた会話が楽しい。江戸と現代で異なるコミュニケーション手段を交錯させて映像化した。「不易流行」が本作のテーマとなっている。
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監督=大川原亮/音楽=羽深由理/サウンドデザイン=滝野ますみ
| 小さな養鶏場を営む家族の話。少年は鳥に憧れている。妹はそんな兄を監視している。父は卵を愛している。母は違う誰かを愛していた。家族という切り離せない関係の中で、それぞれが偏りや秘密を持ちながらそこに有り続ける。それは幸せなのだろうか、それとも不幸なのだろうか。
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監督=岡本将徳/音楽=佐藤亜矢子/音響=三澤悠人
| 自由律俳句の俳人・種田山頭火という人物をモチーフに「さみしい」という感情の象徴化を試みた。旅の途中の山中でほろ酔い気分の人物の表情をカットアウトの手法を用いて細かく描写した。
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監督=飯田千里/音楽監督=香取良彦/音楽=宗近智美/サウンドデザイン=高橋郁美
| 午後の遊園地に来た中学生の女の子。つけていたクマのキーホルダーを、新しく付け替えた拍子に誤って落としてしまう。捨てられたと思ったクマは彼女を追いかける。果たしてクマは彼女の愛を得られるか!?
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監督=髙田苑実/音楽・音響/アンドレス・ドゥアルテ・ロサ、横山夏子
| earthは場所であり、揺るぎない存在である。またearthは土のかたまりであり、気まぐれな物体である。時間の地層が大きく崩れて、地中奥深くに落ちていくと、現実から遠く離れた、まどわしの風景がある。身体は風景に触れることで互いの存在を確かめ、リアリティを取り戻していく。幻惑する音と映像による、現実と非現実の狭間の冒険。
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監督=白石慶子/音楽・音響=横山夏子、アンドレス・ドゥアルテ・ロサ
| 取材先は、海と山に恵まれた住宅地。あの日から、この町は真っ暗になった。闇のなかにかくされたのは、町明かり、家路、母、おなかのなかの子ども。事実の裏にかくれんぼしている真実を描いたアニメーション。 |
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監督=胡嫄嫄/音楽=山本高久/サウンドデザイン=鈴木勝貴
| 1960年代、中国。おばあさんは庭で涼んでいる。夕日が空を橙色に染め、夕化粧の花が咲き始めた。おばあさんは夕化粧の花に誘われ、こどものころの思い出からかつて自分が一番麗しい時間を夢に見るのです。 |
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監督=吉田まほ/音楽=余田有希子/サウンドデザイン=上田瑞恵
| ごく普通の大学生として日々何となく過ごしてきた主人公。ところが近頃友人たちの様子がどうもおかしい。聞けば、彼らは噂の"就活"に躍起になっているらしい。それが一体どのようなものなのか見極められぬまま、主人公もまた「ニッポン式就活」の渦中へと引きずり込まれて行く。
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監督=告畑綾/音楽=木本圭祐/サウンドデザイン=崔雄
| 日本のとある村に住む老夫婦。 ふたりの仕事は、ほうきを作ることだ。 長年連れ添って仕事をしてきた二人だが、少し前から妻にはある病気の症状が出始め、作業に支障を来していることに夫は気付く。
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※東京会場では「一年次作品2012」の上映はありません。
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監督=川口恵里/音響=鈴木勝貴
| 全速力で花嫁が駆けてゆきます。ベールを羽ばたかせて、蒸気を立てて。たまに、町で花嫁姿を見かけると全く知らない人でも、手を振って祝福したくなるものだ。花嫁は美と幸福の象徴なのです。そして彼女らは幸せを勝ち取ったアスリートでもあるのです。
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監督=奥下和彦/音楽・音響=羽深由理
| アイデアを閃くまでの頭の中で起こっている現象を視覚化した作品。 主人公の女性が、会議で悩んだ末にアイデアをつかむために想像上で旅に出る。そこで見つけた要素を組み合わせて新たなアイデアを生み出す。想像上で起こっていることを強調するため、ビジュアルやサウンドは軽やかなものを目指した。
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監督=村本咲/音楽=前村晴奈/サウンドデザイン=高橋郁美、佐藤咲月
| 人は物を食べる時に別の人格が出てくることがある。よく噛んで食べる草食動物のようになる人、餌に群がる鯉のようになる人、ほっぺに詰め込んだハムスターのようになる人などなど。みんなそれぞれ違っていて、観察してみるとおもしろい。
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監督=仲本有里/音楽=余田有希子/音響=志野文音、椎葉爽
| 故郷三保の浜辺に伝わる羽衣の話。海で水浴びをする為に浜辺へと降り立った天女。それを見ていた漁師がこっそり羽衣を奪うが、罪悪感を感じてすぐに返してしまう。羽衣を取り戻した天女はたいそう喜び、空を舞い天へと帰って行く。
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監督=臼井聡美/音楽=大野茉莉
| 水の循環をテーマにした作品。水滴の一粒一粒が個でありながら全体も形成していて、くっついたり、離れたり、吸い込まれたりしながら、様々な形に姿を変えつつ自然界のサイクルを旅していく。
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監督=久下沼朱紗/音楽・音響=関達郎/音響アシスタント=田中真知子
| 世界のどこかにある不思議な美術館、その名もハラペコミュージアム。そこには色とりどりのたべものたちが飾ってある。夜になると彼らは額の中で目を覚まし、自由に動き回る。ハラペコミュージアムにようこそ!
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監督=宮﨑しずか/音楽=渡辺愛
| "彼"はただひたすら前に前に前に、進み続けてきていた。周りなど気にしたこともなかった。しかしある時、ふと気づいてしまう。明らかに自分は老いてきていることを。そしてついに完全に停止する。
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監督=廣安正敬/音楽=宮本夢子/サウンドデザイン=佐野えり奈
| 長い間人間に尽くしてきたが、年老いて働く力が弱まったロバ。風向きが悪くなったこと感じ、家を出て、ブレーメンに行き音楽隊に入ることを思い立つ。その途中、イヌ、ネコ、ニワトリと出会い、泥棒たちの住む家を見つける。4匹は力を合わせ、泥棒たちを追い出す。彼らは自分たちの居場所を手に入れ、新たな人生が始まる。
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監督=中村仁美/音楽=櫻井美希
| たばこは昔から人々を魅了し続けます。やめたくてもそう簡単にはやめさせてくれません。縁を切りたくてもあなたのすぐ後ろにたばこの妖精が迫っています。たばこの世界へトリップしましょう。
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監督=朱彦潼/サウンドデザイン=滝野ますみ
| 食べたリンゴが、ある男の口から出てくる。その男の人生がビデオを逆再生するように時間が遡り、今まで食べた様々なものがどんどん口から溢れていく。それと同時に男はどんどん若返っていき、果てしなく時間が巻き戻っていく。
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監督=池亜佐美/音響=岩永史弥、橋本優、滝野ますみ
| すべての犬は、いずれほこり犬になる。ほこり犬のほこりは誇り。自らと、そしてあなたをほこる。記憶と愛と、ありがとう。ほこり犬、そしてたくさんの犬たちと、その感覚と記憶をたどって、愛をくれたあなたにありがとう、というためのアニメーション。
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監督=河井ゆう美/音楽・サウンドデザイン=前村晴奈
| 日本独特の民俗文化である赤不浄(血のケガレ)から着想。脈絡が無く一足飛びに展開する思考回路を持つ女が、いろいろな想いを鏡の向こう、襖の中に閉じ込めて外へ出かける。
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監督=金學鉉/音楽=對馬樹
| 男は小さな船の中で誰かを待ち続ける。孤独の中で誰かを待ち続ける。「誰」を「なぜ」待っていたかという事はそれほど大事ではない。形の無い「幸せ」の姿を、一瞬で消えてしまうその姿を、少しでも長く見ていたいのだ。
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